抄録
生物の機能と分子メカニズムを解明するうえで、mRNAのイメージングは重要な役割を果たす。ここでは、アンチセンス核酸プローブやRNA結合タンパク質などを用いたmRNAの選択的蛍光標識法とイメージング法を紹介し、さらに、これを利用してmRNAのダイナミクスを解析した例を2つ紹介する。1つ目の研究例として、ストレス顆粒内のmRNAのダイナミクスを観察した。COS7細胞のmRNAをpoly(U)22 2'-O-methyl RNAで蛍光標識した後、亜ヒ酸によるストレスを負荷してストレス顆粒を形成させ、内部のmRNAのダイナミクスをFRAPにより解析した。2つ目の研究例として、ニワトリ胚線維芽細胞内のβ-actin mRNAをMS2-GFPで蛍光標識し、1分子のβ-actin mRNAの運動を解析した。