Drug Delivery System
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特集 “糖尿病疾患治療におけるDDSの進歩”  編集:武田真莉子
剤形の進歩:経肺投与経路を利用したインスリン吸入製剤とDDS技術
田上 辰秋尾関 哲也
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2016 年 31 巻 5 号 p. 432-438

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抄録

肺を介して薬物を全身に送達する経路(いわゆる経肺投与経路)は、比較的分子量の大きい薬物(タンパク質など)においても適用可能であることから、バイオ医薬品の新しい投与経路として、DDS技術の開発が行われてきた。本稿では、最近注目されているインスリン吸入製剤について紹介を行う。Afrezza®(MannKind社)は、2014年米国FDAにおいて認可された超速効型のインスリンの粉末吸入製剤である。Technosphere技術という特殊な粒子化技術により、肺胞領域への高い薬物送達効率と、肺胞到達後の早い溶解性・吸収性を得ることに成功している。Dance-501(Dance Biopharm社)は、インスリン溶液の吸入製剤である(Phase 2)。インスリンを含むバイオ医薬品の吸入剤は、注射を必要としない患者に優しい剤形として、その普及が期待されている。

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© 2016 日本DDS学会
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