Drug Delivery System
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特集 “in vivo イメージングとセラノスティクスの新展開”  編集:丸山 厚
近赤外励起バイオフォトニクスのセラノスティクスへの展開
曽我 公平上村 真生
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2018 年 33 巻 3 号 p. 223-230

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抄録

近赤外波長域は、可視波長域近傍の波長を有する電磁波に対して、生体の透明性が最も高いことが知られている。OTN-NIR蛍光剤としては、色素、量子ドット、カーボンナノチューブ、希土類含有セラミックナノ粒子(RED-CNP)が知られているが、特にRED-CNPは近赤外励起によってOTN-NIR蛍光のみならず、アップコンバージョンによる可視蛍光を示す。アップコンバージョン蛍光で得られる可視光は、光線力学療法における一重項酸素の発生をはじめとして、さまざまな光化学反応への応用の可能性があり、RED-CNPと色素を複合したナノ材料は近赤外励起によるセラノスティックスに展開できると期待される。本稿ではこれに加え、OTN-NIR蛍光を用いたナノ温度イメージングについても簡単に紹介する。

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© 2018 日本DDS学会
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