Drug Delivery System
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33 巻, 3 号
in vivoイメージングとセラノスティクスの新展開
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
特集 “in vivo イメージングとセラノスティクスの新展開”  編集:丸山 厚
  • 丸山 厚
    2018 年 33 巻 3 号 p. 169
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
  • 西山 伸宏
    2018 年 33 巻 3 号 p. 170
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
  • 青木 伊知男
    2018 年 33 巻 3 号 p. 172-178
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
    本稿では、まず最近のMRIの技術的進歩として、高速化技術を中心にスパースサンプリングやシンセティックMRIなどの新技術を紹介し、また高速化技術と機械学習の進歩がもたらした安静時脳機能MRIによる精神疾患診断などへの革新について概説する。次に、特定の外来性分子プローブに対して感度が低いとされてきたMRIにおいて、実に千倍以上(理論上は10万倍)の信号上昇をもたらしうる「超偏極技術」について、実用化における課題と解決法、そして米国で始まった臨床治験の状況について概説する。最後に、MRIを使ったナノDDSに関して、バイオマーカー反応型とセラノスティクスについて筆者らの成果を中心に最近の進歩を紹介する。
  • 権田 幸祐, 古澤 直子, 中野 寧, 小林 芳男
    2018 年 33 巻 3 号 p. 179-189
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
    近年、ナノ粒子を用いたイメージングを、がんのメカニズム解明や診断技術開発に応用する研究が注目されている。筆者らは、蛍光能やX線吸収能を保持した新たなナノ粒子を合成し、これらを独自の光学装置や画像解析技術と融合した定量的ナノバイオイメージングの開発を進めている。さらにこのイメージング法をがん病態の可視化に応用することで、「がんを知り、見つけ、診る」ための技術に昇華させることを目標としている。本稿では、担がんマウスのin vivo環境下において、定量的ナノバイオイメージングによって実現した「がん転移のメカニズム解析」や「微小がん検出」について紹介する。また、ヒト乳がんの術前化学療法における薬効予測診断に定量的ナノバイオイメージングを応用し、臨床で実施されている技術に比べ高確度で患者の薬効層別に成功した例を紹介する。
  • 小俣 大樹, 鈴木 亮, Unga Johan, 丸山 一雄
    2018 年 33 巻 3 号 p. 190-196
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
    超音波は臨床において診断と治療に利用されているため、セラノスティクスを実現していくうえで有用な物理エネルギーであると期待されている。現在、数種の超音波造影剤(マイクロバブル)が臨床で超音波診断のために使用されている。最近では、超音波を照射することで生じるマイクロバブルの振動や圧壊といった振る舞いを利用した薬物デリバリー法の開発など治療への応用が研究されている。しかしながら、現在臨床で使用されているマイクロバブルは超音波診断を目的として開発されており、治療を目的としたマイクロバブルは承認されていない。そこで筆者らは新規バブルの開発を行い超音波セラノスティクスの研究を進めてきた。本稿では、これまでの筆者らの取り組みとともに、最近の超音波セラノスティクスの研究動向について紹介する。
  • 山田 健一
    2018 年 33 巻 3 号 p. 197-203
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
    多くの疾患の発症に、レドックス変動やフリーラジカルが関与することが報告されている。筆者らは、このレドックスおよびフリーラジカル(特に、脂質ラジカル)の検出のために、安定な不対電子を分子内に有するニトロキシド化合物に着目している。この分子は、酸化還元反応および炭素中心ラジカルと結合できることから、実験動物での検出プローブとして利用できる。本稿では、特に脂質ラジカルが化学発がんや光網膜障害時に生成していることを検出プローブで確認し、また阻害剤の投与タイミングを設定できることについて記載する。すなわち、脂質ラジカルの検出と阻害を通じたセラノスティクス研究について解説する。
  • 向井 英史, 渡辺 恭良
    2018 年 33 巻 3 号 p. 204-213
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
    ポジトロンエミッショントモグラフィー(PET)は、その高い感度や定量性から、非臨床試験・臨床試験の両者において標準的に活用されるモダリティとなりつつある。従来間接的に類推するしかなかったヒト組織中の薬物濃度推移について直接的な評価ができ、創薬標的分子や、病態診断や治療評価に重要な生体分子の発現や機能を可視化するPETプローブを薬効評価のサロゲートエンドポイントとして利用することも可能である。PETを中心とする分子イメージング技術を動物モデルとヒトで共通の評価基盤とするイメージング活用創薬により、開発初期から臨床試験・投薬治療まで薬物動態と薬効の関連を強く結びつけた、より実証的でシームレスな創薬研究が実現する。
  • 竹中 文章, 小林 和子, 木村 俊作, 小関 英一, 大槻 高史, 小渕 浩嗣, 松浦 栄次
    2018 年 33 巻 3 号 p. 214-222
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
    Theranosticsは、治療(Therapy)と診断(Diagnostics)を同時に実施できる画期的な医療形態の一概念である。昨今、筆者らは、がん領域において臨床適用が可能なTheranosticsを確立するために、ヒト化・低分子化IgGバリアントであるSingle Chain Variable Fragment(scFv)を作製した。対応抗原は、悪性腫瘍にしばしば発現される分子量40kDaのがん分化関連の細胞膜表面糖タンパク質である。抗原特異的scFvを修飾した新規の生分解性ポリマーからなる高分子ミセル型キャリア、“ラクトソーム”を“母体”とするTheranosticsシステムで、アポトーシス誘導性の低分子干渉RNA(siRNA)などの治療効果をもたらす分子を標的細胞に確実に送達するとともに、89Zrを標識することでPETイメージングによる標的病巣の視覚化を同時に実現する。具体的には、5-アミノレブリン酸(ALA)による光線力学療法(PDT)と光応答性の細胞内siRNA送達システムとの組み合わせにより、限定した標的細胞にのみアポトーシスを誘発することのできるTheranosticsが実現する。
  • 曽我 公平, 上村 真生
    2018 年 33 巻 3 号 p. 223-230
    発行日: 2018/07/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
    近赤外波長域は、可視波長域近傍の波長を有する電磁波に対して、生体の透明性が最も高いことが知られている。OTN-NIR蛍光剤としては、色素、量子ドット、カーボンナノチューブ、希土類含有セラミックナノ粒子(RED-CNP)が知られているが、特にRED-CNPは近赤外励起によってOTN-NIR蛍光のみならず、アップコンバージョンによる可視蛍光を示す。アップコンバージョン蛍光で得られる可視光は、光線力学療法における一重項酸素の発生をはじめとして、さまざまな光化学反応への応用の可能性があり、RED-CNPと色素を複合したナノ材料は近赤外励起によるセラノスティックスに展開できると期待される。本稿ではこれに加え、OTN-NIR蛍光を用いたナノ温度イメージングについても簡単に紹介する。
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