Drug Delivery System
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特集 “皮膚機能とDDSから考える皮膚疾患治療”  編集:藤井まき子
セラミドの皮膚における役割
内田 良一
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2018 年 33 巻 4 号 p. 252-258

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抄録

長鎖アミノアルコールと長鎖脂肪酸がアミド結合して生成されるセラミドは、スフィンゴリン脂質とスフィンゴ糖脂質の母骨格を形成する。セラミドとしても細胞と細胞内小胞器官を覆う脂質二重層膜の少量ながら構成成分となる。一方、皮膚の最外層を覆う表皮の角層細胞間において、鎖長と水酸基化度の違う酸アミド結合型脂肪酸とスフィンゴシン塩基の違いによる多様な分子種からなるセラミドは物質透過バリアの主要な構成成分となる。これら構造物的な役割に加えて、セラミドとその代謝産物のスフィンゴシン-1-リン酸やセラミド-1-リン酸は生理活性脂質(脂質メディエーター)として、細胞の増殖、分化、細胞死、および自然免疫の調節を介して、生体の機能維持に重要な役割を果たしている。

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© 2018 日本DDS学会
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