抄録
生理活性物質を内包したリポソームや高分子ミセルなどのDDS製剤は、ナノメディシンに分類できる。ナノメディシンは従来の低分子医薬に比べてはるかに大きく数十から数百ナノメートルである。ナノメディシンではその大きさに起因するさまざまな生体反応が現れる。したがってナノメディシンの構造や物性を正確に測定することは、レギュラトリーサイエンスの観点からも重要である。従来、使われてきた動的光散乱法は不正確であり、FDAが要求する統計的で絶対的な値を簡便に測定できる方法が求められている。筆者らは、光やX線による静的散乱法とゲルや流動場による分画法を用いた装置が、この要求を満たすと考えている。本稿では、筆者らの最近の例を用いて静的散乱法の有用性を示す。