Drug Delivery System

特集　“DDSを支える高分子材料の精密設計・成形・構造制御技術”　　編集：丸山　厚

[FOREWORD]DDSを支える高分子材料の精密設計・成形・構造制御技術

丸山厚

2019 年34 巻3 号 p. 149
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.149

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[OPINION]DDS研究 “温故知新”

赤池敏宏

2019 年34 巻3 号 p. 150-151
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.150

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糖鎖高分子ベシクルの設計とDDSナノファクトリーとしての機能

西村智貴, 秋吉一成

2019 年34 巻3 号 p. 154-162
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.154

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さまざまなナノ粒子を用いたドラッグデリバリーシステム（DDS）の発展により、薬効の向上や副作用の低減を実現させてきた。近年、薬剤を送達するという従来型のDDSではなく、酵素などにより物質を変換する機能を有するナノデバイスを患部に送達し、疾患部位で薬剤をつくり出したり、不要な分子を除去して治療を行う概念（DDSナノファクトリー）が注目されつつある。本稿では、このDDSナノファクトリーの特徴と設計指針について言及した後に、筆者らが開発した糖鎖高分子ベシクルの特性と機能、そしてDDSナノファクトリーとしての応用に関して概説する。

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pH応答性高分子を基盤とした免疫誘導システムの設計

弓場英司

2019 年34 巻3 号 p. 163-172
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.163

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免疫療法の発展のために、免疫担当細胞に抗原を運搬すると同時に活性化し、抗原特異的な細胞性免疫を誘導できる抗原キャリアが求められている。筆者らは、弱酸性pHに応答して膜融合性を発現する機能性高分子を抗原封入リポソームに修飾することで、細胞性免疫を効果的に誘導できる抗原キャリアを開発した。pH応答性高分子修飾リポソームは樹状細胞に効果的に取り込まれ、エンドソームの弱酸性pHに応答して膜融合性となりサイトゾルに抗原を運搬することで、抗原特異的な細胞性免疫を誘導した。さらに、アジュバント分子の組み込みや、生理活性多糖を基盤としたpH応答性高分子の利用により、担がんマウスにおいて強力な抗腫瘍免疫の誘導に成功した。

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効果的な心筋細胞シート移植のためのVEGF徐放ファイバーマットの設計

長瀬健一, 金澤秀子

2019 年34 巻3 号 p. 173-178
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.173

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近年、細胞シートなどのin vitroで作製した細胞組織を移植する治療法が効果的な治療法として展開されている。筆者らは細胞組織を移植する際に、移植組織に血管導入を行い、効果的な細胞組織の生着を促す血管内皮細胞増殖因子（VEGF）徐放ファイバーマットを開発した。このファイバーマットを用いることで、通常では生着が難しい細胞組織の移植への応用が期待される。本稿では、このVEGF徐放ファイバーマットの設計戦略を細胞組織移植の現状と併せて紹介する。

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温熱・化学療法を同時に実現するスマートナノファイバーの開発～貼るがん治療を目指して～

新山瑛理, 荏原充宏

2019 年34 巻3 号 p. 179-185
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.17

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DDSと聞くと内科的治療が想像されがちだが、外科領域でもDDSの需要が多く聞かれる。がん治療においても、約7割が外科手術との併用療法といわれている。本稿では、外科手術の後あるいは併用して利用可能なDDS基材について紹介する。特に、患部局所で薬物濃度を制御可能なナノファイバーメッシュについて紹介する。ナノファイバーメッシュは、薬物の種類によらず作製可能なばかりか、無機物とのコンポジットも容易なため、温熱療法可能な磁性ナノ粒子内包メッシュの作製も可能であり、その応用範囲の広がりには目を見張るものがある。

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生体内における膨潤挙動が制御可能なインジェクタブルハイドロゲル

酒井崇匡, 藤藪岳志

2019 年34 巻3 号 p. 186-200
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.186

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ハイドロゲルは水中で膨潤する傾向を有する。よって、体内においてハイドロゲルを作製した場合、ゲルは膨潤すると予想される。ゲルの膨潤は、形状の変化、周辺組織の圧迫、力学特性の低下を引き起こすため、制御されることが求められる。本稿では、2種類の4分岐高分子の相互結合により形成されるTetra-PEGゲルを基盤として設計された、膨潤挙動の抑制されたハイドロゲルについて概説する。膨潤挙動の制御されたハイドロゲルは、バイオマテリアルとして有用であり、今後の応用が期待される。

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ナノメディシンの物性評価とレギュラトリーサイエンス：高分子ミセルの例から

櫻井和朗

2019 年34 巻3 号 p. 201-207
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.201

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生理活性物質を内包したリポソームや高分子ミセルなどのDDS製剤は、ナノメディシンに分類できる。ナノメディシンは従来の低分子医薬に比べてはるかに大きく数十から数百ナノメートルである。ナノメディシンではその大きさに起因するさまざまな生体反応が現れる。したがってナノメディシンの構造や物性を正確に測定することは、レギュラトリーサイエンスの観点からも重要である。従来、使われてきた動的光散乱法は不正確であり、FDAが要求する統計的で絶対的な値を簡便に測定できる方法が求められている。筆者らは、光やX線による静的散乱法とゲルや流動場による分画法を用いた装置が、この要求を満たすと考えている。本稿では、筆者らの最近の例を用いて静的散乱法の有用性を示す。

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[連載] DDS製品開発の最前線

経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤「アレサガ_®テープ」の開発

道中康也, 天野智史

2019 年34 巻3 号 p. 208-212
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.208

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アレサガ_®テープは、第2世代抗ヒスタミン薬であるエメダスチンフマル酸塩を有効成分とする世界初の１日１回経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療薬である。季節性アレルギー性鼻炎患者を対象にした第Ⅲ相比較試験の結果、エメダスチン貼付剤4mgおよび8mgはプラセボに対する優越性が示された。エメダスチン貼付剤は、血中エメダスチン濃度を安定的に維持できることで、夜間から早朝にかけての時間帯を含むすべての時間帯においても有効性が確認され、薬効の持続が確認された。１日１回貼付の本剤は服薬アドヒアランスの改善が期待され、アレルギー性鼻炎治療の新たな選択肢となりうる。アレサガ_®テープの製剤、臨床的特徴について紹介する。

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[連載]DDSの「ちょっとした」技術・知識

ガラス器具の洗浄

横山昌幸, 白石貢一, 岸村顕広

2019 年34 巻3 号 p. 213-215
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.213

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若手研究者のひろば

脳神経系疾患の革新的治療技術の開発

安楽泰孝

2019 年34 巻3 号 p. 216-217
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.216

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ナノ粒子を用いた創傷治療用製剤の開発

河野弥生

2019 年34 巻3 号 p. 218-219
発行日: 2019/07/25
公開日: 2019/10/25

DOIhttps://doi.org/10.2745/dds.34.218

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