Drug Delivery System
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特集 “バイオ医薬とDDS”  編集:武田真莉子
バイオ医薬に利用されるキャリア開発:B型肝炎ウイルスの初期感染機構に基づくバイオナノカプセル
曽宮 正晴黒田 俊一
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2020 年 35 巻 1 号 p. 57-63

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抄録
DDSナノキャリアは、治療用薬剤の体内における時空間的制御を行うために使用される。具体的には、①治療用薬剤を包含し、②免疫系による捕捉から逃れ、③患部(臓器・細胞)に到達し、④細胞内・外の標的部位に治療用薬剤を適切な量とタイミングで送達するなどの多段階の機能が求められる。これまで開発されてきたDDSナノキャリアは、化成品と生物製剤に大別されるが、前者には上記すべての機能を有するものは存在しない。一方、上記すべての機能を有する後者のモデルとしてウイルスがある。本稿では、ヒト肝臓に特異的に感染するB型肝炎ウイルスの初期感染機構を模倣したDDSナノキャリア「バイオナノカプセル」について概説する。
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© 2020 日本DDS学会
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