タンパク質-タンパク質相互作用(PPI)を標的とする創薬が注目を集めている。中分子に分類されるペプチドは、このPPIを効率的に制御可能な分子として、その創薬展開がさまざまな方向から進められている。ヘリックスペプチドを構成するアミノ酸側鎖を共有結合で連結する、いわゆるステープル化戦略がα-ヘリックス性ペプチドの創薬戦略において近年注目を集めている。さて、筆者らは、乳がん細胞特異的にbrefeldin A-inhibited guanine nucleotide-exchange protein 3(BIG3)が高発現し、これがprohibitin 2(PHB2)のがん抑制機能を負に制御していることを見出した。そこで、BIG3とPHB2のPPI制御を基盤とする乳がん細胞増殖抑制ペプチドの創出に着手した。BIG3のヘリックス領域由来配列を創薬展開シードとし、ステープル化戦略を採用することで、
in vivoにおいて長期にわたり(約1週間)乳がん細胞増殖を抑制するペプチドを見出した。
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