Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
Print ISSN : 0913-5006
ISSN-L : 0913-5006
特集 “iPS細胞のDDSへの応用”  編集:谷口英樹
iPS細胞由来の下垂体オルガノイドを用いたホルモン補充療法
多賀 詩織須賀 英隆木村 徹有馬 寛
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 35 巻 4 号 p. 285-292

詳細
抄録
下垂体は、多様なホルモンを分泌することで全身の内分泌システムを制御する中枢器官であり、生体の恒常性維持および機能調節に大きな役割を果たしている。ゆえに、ひとたび機能不全に陥ると、さまざまな重篤症状を引き起こす。下垂体機能低下症に対する治療はホルモン補充療法であるが、根治療法はなく、より優れた治療法として再生医療に期待がもたれる。筆者らは、マウスおよびヒト多能性幹細胞から機能的な下垂体ホルモン産生細胞を分化誘導することに成功し、機能不全に対する有用性を示してきた。本稿では、下垂体の再生医療分野における研究進展を概説し、今後の臨床応用に向けた課題を述べる。
著者関連情報
© 2020 日本DDS学会
前の記事 次の記事
feedback
Top