Drug Delivery System
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特集 “自己免疫疾患・AIDSとDDS:免疫異常・免疫不全への新しい挑戦”  編集:安永正浩
新規HIV感染症治療戦略『Shock & Kill』
松田 幸樹前田 賢次
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2020 年 35 巻 5 号 p. 401-408

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抄録
HIV-1/AIDSの発見から40年近くがたった今、多剤併用療法(cART)により患者の予後は飛躍的に改善、AIDSは致死的な疾患から治療可能な慢性感染症となった。最近では有効かつ安全性の高い新規の抗HIV薬が次々と開発されており、国連合同エイズ計画(UNAIDS)は2030年までにAIDSの流行を終わらせることを目標としている。一方で、cARTは患者体内で産生されるウイルスを検出限界以下に減らすことはできても、患者細胞内の遺伝子に組み込まれたHIVプロウイルスを排除することはできないため、治療薬の中断後に再びウイルスを産生することとなる。このような中で、近年HIVの根治(Cure or remission)に向けた研究が精力的に行われている。本総説ではHIV潜伏感染細胞を標的とした薬剤開発に焦点を当て、筆者らの最近の研究も含めて解説する。
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© 2020 日本DDS学会
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