抄録
治療薬を患者の体内に最適なタイミングで最適な量を投入することができれば、あるいはそうすることによって至適濃度を維持し続けることができれば、現在よりも高い質の治療を提供できるはずである。そのための戦略はいくつか考えられるが、1つの方法は、患者の状態や治療薬の体内濃度をモニタリングし、そこから投薬あるいは服薬のタイミングと量を推定することである。本稿では、治療の最適化に向けて実施されているデジタル技術を活用したバイオマーカーおよびデジタルバイオマーカーの研究および開発を、いくつかの疾患と症状(糖尿病、パーキンソン病、喘息・COPD、痛み・かゆみ、高血圧)について紹介する。