Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
Print ISSN : 0913-5006
ISSN-L : 0913-5006
特集 “社会の「不」とDDS”  編集:狩野光伸
どんな「不」が医療現場そして社会にあるか
狩野 光伸
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 37 巻 1 号 p. 8-16

詳細
抄録
2022年学術集会のテーマとした「不」とは、不思議、不明、不憫、不治、不便、不安、などの「不」であり、臨床現場や社会がまだ答えをもたない状態を意味する。これを把握し、活動を進めることで、DDSの新たな展開も生まれていかないか、という期待である。「イノベーション」の意味は、人間の欲求充足の観点による「新しい組み合わせ」により、非連続的な新規性を獲得することである。「不」とDDSの組み合わせで何が生まれるか。医療の「不」は、大きく「死を避けるには」から、「より思った通りに時間を過ごせるためには」に変わってきた。つまり症状制御が主な対象になりつつある。これを疾患ごとに概観する。社会における「不」であるSDGsも、その根幹は「より自分を発揮できる個人を増やすには」という通底する問いがある。
著者関連情報
© 2022 日本DDS学会
前の記事 次の記事
feedback
Top