2022 年 37 巻 2 号 p. 131-141
近年、新たな創薬モダリティとして「核酸医薬」に大きな注目が集まっている。人工核酸技術により、1)標的親和性・選択性、2)生体内安定性、3)免疫応答などの副作用などの課題が次々と克服され、適応疾患の拡大が精力的に進められている。一方で、高度に最適化された核酸医薬においても未だ副作用が認められ、広い普及には至っていない。本稿の目的は、核酸医薬と生体との物理化学的相互作用を分類・整理することで、より有効で安全な核酸医薬を開発する(核酸医薬と物質共生する)ための糸口を見つけることである。