2022 年 37 巻 3 号 p. 253-262
腎臓へのmRNAデリバリーにおいては、腎臓の構造の特徴上、投与経路とベクターの選択が非常に重要である。さらに、導入効率の向上を目的として、物理的な手法を組み合わせるなど工夫が必要となる。このような導入手法の多様性に併せて、導入細胞もそれぞれ異なることが考えられる。そのため、治療戦略の構築には、導入細胞を特定し、発現分布を評価することが有効であるといえる。腎臓へのmRNAデリバリーの分野においては報告がほとんどないため、本稿では、投与経路やベクターに着目しつつ遺伝子/核酸デリバリーについて解説し、腎臓へのmRNAデリバリーについて紹介する。