Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
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ISSN-L : 0913-5006
37 巻, 3 号
日本DDS学会
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
FOREWORD
OPINION
特集 “mRNA医薬・mRNAワクチンの新展開”  編集:位髙啓史
  • 稲垣 雅仁, 多田 瑞紀, 阿部 洋
    2022 年37 巻3 号 p. 196-208
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2022/10/25
    ジャーナル フリー
    COVID-19パンデミックに対するワクチン療法としてmRNA医薬が注目されている。mRNA医薬は、RNAポリメラーゼを用いたin vitro転写反応によって製造されるが、その純度、安定性、タンパク質合成効率など多数の課題が指摘されている。mRNA医薬の問題点を解決するために、化学修飾核酸の導入が期待されている。しかしながら、化学修飾核酸をmRNAに導入するためには、in vitro転写反応においてRNAポリメラーゼによって正確に認識され取り込まれる必要があることから、自由な分子設計が困難である。今後、mRNA医薬の合成法の進歩により、複数の化学修飾を高度に導入できるようになり、自由な分子設計に基づく新たなmRNA医薬の設計指針の提案が必要である。そのような状況の中、筆者らはmRNAの翻訳反応機構に着目し、翻訳反応サイクルを加速しうる分子デザインの提案とその実証に成功したので紹介する。
  • 中西 秀之, 位髙 啓史
    2022 年37 巻3 号 p. 209-220
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2022/10/25
    ジャーナル フリー
    メッセンジャーRNA(messenger RNA, mRNA)医薬においては、実際の治療効果を発揮するのはmRNAそれ自体ではなく、翻訳によってそこから生み出されるタンパク質である。したがって、そうした治療用タンパク質を特定の臓器・組織や細胞種でのみ選択的に産生させる技術はターゲティングとして、産生期間を制御する技術はコントロールドリリースとしてそれぞれ機能するともいえる。プラスミドDNA(plasmid DNA, pDNA)やウイルスベクターと異なり、転写制御配列による遺伝子発現制御が適用できないmRNA医薬においては、タンパク質の産生を制御することは困難であった。しかし近年では、さまざまな翻訳制御技術の開発が進んでいる。本稿では、筆者らの研究成果も含めたmRNAの翻訳制御技術について紹介する。
  • 内藤 瑞, 宮田 完二郎
    2022 年37 巻3 号 p. 221-228
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2022/10/25
    ジャーナル フリー
    近年、新型コロナウイルスワクチンの成功を受け、mRNA医薬は次世代のバイオ医薬として世界的な注目を集めている。mRNA医薬における現在の大きな課題の1つは、安全性が高く、かつ標的指向性に優れるDDSの開発である。本稿では、筆者らがこれまでに取り組んできた、mRNAを含む核酸デリバリーのためのカチオン性ポリペプチドおよびポリプレックスの合理的設計に関する研究成果を紹介する。具体的には、mRNA内包ポリプレックスのエンドソーム脱出機能、生体内での安定性、および自己分解性を中心とする機能化に向けたポリペプチド側鎖の分子設計に関して詳述する。
  • 渡邉 和則, 大槻 高史
    2022 年37 巻3 号 p. 229-236
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2022/10/25
    ジャーナル フリー
    近年、mRNAやsiRNAなどの核酸医薬が、次世代の医療を支える医薬として期待を集めている。RNAを医薬として疾患部位で作用させるためには、標的細胞の細胞内への効率的なRNA送達法が重要となる。本稿では、さまざまなターゲティング戦略の中の1つである、光を用いた標的特異的RNA送達に注目する。具体的には、光化学的内在化(PCI)機構やPhotothermal機構を介して細胞質内にRNAを送達するキャリアを用いる方法について紹介する。これらのキャリアは、光で狙いうちした標的細胞のみにおいて細胞質内へのRNA送達を促進することで、標的特異的にRNA医薬を作用させることを可能にする。
  • 田中 浩揮, 櫻井 遊, 秋田 英万
    2022 年37 巻3 号 p. 237-246
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2022/10/25
    ジャーナル フリー
    タンパク質の導入を目的とするmessenger RNA(mRNA)やタンパク質のノックダウンを目的とするsmall interfering RNA(siRNA)を用いた医薬品が承認されたことを受け、今後RNA創薬はますます加速すると考えられる。これらの新規モダリティを基盤とした医療を実現するうえでは、脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticle:LNP)がそのデリバリー技術として大きく貢献している。本稿では現在までのLNPs開発の経緯について概説するとともに、mRNA医薬品の最初の例となったRNAワクチンについて、その免疫活性化機構について最近の知見を紹介する。また、今後のさらなる医療応用を加速するうえで必須となるターゲティング技術について解説する。
  • 福島 雄大, 位髙 啓史
    2022 年37 巻3 号 p. 247-252
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2022/10/25
    ジャーナル フリー
    新型コロナウイルス(COVID-19)に対するmRNAワクチンが奏効したことを受けて、mRNA医薬のワクチンに限らない応用が期待されている。mRNAを生体内へ送達し、治療用タンパク質を細胞に産生させることで疾患治療を行うというコンセプトは、早くも1990年代には動物モデルでの成功例が報告されているものの、mRNAの不安定性が大きな問題となり、長く研究の進展は見られなかった。筆者らは、独自のmRNA送達キャリアであるナノミセルキャリアを用いることで、mRNAの不安定性を克服し疾患治療に応用するための基礎研究を行っている。本稿では、特に創薬が困難な中枢神経系疾患を標的とした基礎研究を、簡単な総括を交えて紹介する。
  • 川口 真帆, 加藤 直也, 神谷 万里子, 向井 英史, 川上 茂
    2022 年37 巻3 号 p. 253-262
    発行日: 2022/07/25
    公開日: 2022/10/25
    ジャーナル フリー
    腎臓へのmRNAデリバリーにおいては、腎臓の構造の特徴上、投与経路とベクターの選択が非常に重要である。さらに、導入効率の向上を目的として、物理的な手法を組み合わせるなど工夫が必要となる。このような導入手法の多様性に併せて、導入細胞もそれぞれ異なることが考えられる。そのため、治療戦略の構築には、導入細胞を特定し、発現分布を評価することが有効であるといえる。腎臓へのmRNAデリバリーの分野においては報告がほとんどないため、本稿では、投与経路やベクターに着目しつつ遺伝子/核酸デリバリーについて解説し、腎臓へのmRNAデリバリーについて紹介する。
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