Drug Delivery System
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特集 “DDSで拓く創薬モダリティイノベーション”  編集:西川元也
スーパーメッセンジャーRNAの創製を目指した化学合成手法の展開
多田 瑞紀阿部 奈保子阿部 洋
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2023 年 38 巻 1 号 p. 15-23

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抄録
メッセンジャーRNA(mRNA)医薬は、新型コロナウイルス感染症のワクチンとして2020年に緊急承認された。しかし、現在のmRNA医薬の方法論は完全に確立されたとはいえず、翻訳効率、生体内の不安定性、脂質キャリアの炎症作用等、解決すべき課題が残る。感染症以外の疾患にmRNA医薬を適用するには特に改善の余地がある。さらに、mRNA医薬の調製には生物学的な手法を用いるため、時間とコストがかかることが課題である。筆者らは、これらの課題を解決すべくmRNAの精密分子設計法および化学合成法の開発に取り組んできた。本稿では、翻訳効率や生体内安定性を向上させるためのmRNAの完全化学合成法、RNAを膜透過性分子に変換できる化学修飾としてのジスルフィド修飾法を報告する。
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© 2023 日本DDS学会
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