Drug Delivery System
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特集 “合成高分子による細胞機能制御”  編集:樋口ゆり子
ナノバイオ界面水制御による細胞接着性/非接着性合成高分子の設計
田中 賢
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2023 年 38 巻 5 号 p. 404-415

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抄録
材料が生体組織液に接触すると直ちに水が材料表面に吸着する。水分子は、ナノバイオ界面におけるタンパク質吸着/脱離、細胞接着/非接着現象に影響を与える。界面現象を明らかにするためには、水和した材料の物理化学的な物性を理解することが重要である。本稿では、最近の筆者らの研究例、例えば、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)(PMEA)、PMEA誘導体、双性イオン型高分子、ポリエチレングリコール、ポリオキサゾリンなどの合成高分子、また、核酸、タンパク質、多糖などの生体高分子に含水した水の状態について議論する。水の状態は、熱分析や分光により解析を行った。界面に形成される特定の水の状態:中間水が、タンパク質吸着/細胞接着に大きな影響を与えることや機能性合成高分子の設計につながることを見出した。
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© 2023 日本DDS学会
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