抄録
架設から30年以上経過した表面処理仕様耐候性鋼橋梁の腐食を調査するため,外観目視調査,さび・被膜厚測定,イオン透過抵抗測定,偏光顕微鏡による断面観察,EPMA分析を実施した.外観目視調査では78カ所中57カ所が正常と判断された.橋梁桁端部の漏水が生じていた箇所において,うろこ状さびや層状剥離さびが観察される場合があった.さび外観評点が下がるにつれて,さび・被膜厚は厚くなる傾向があった.断面観察およびEPMA分析より,異常さびの底面には濃縮したClが存在し,正常さびの底面には保護性さびと思われる消光層が存在することが判明した.