抄録
近年、新薬のモダリティは多様化し、今では中・高分子医薬品やさまざまな生物製剤の開発が低分子化合物による医薬品開発を上回っている。同時に、多様化するモダリティに対応すべき新薬の安全性や品質に係わる規制科学技術の開発も同時に発展しなくてはならない。これに伴い、製薬企業は創薬開発の初期の段階をアカデミアやバイオベンチャーに求めるOpen innovationのシステムに経営方針を変換した。日本においてもこの動向は同じであり、今後、さまざまな形で創薬科学や規制科学を底上げする多様な基礎研究の発展が、あらゆる研究分野で必要である。アカデミア研究者においては、創薬科学や規制科学の知識を身につけ、それらを意識した研究推進こそ、科学立国たる日本に必要である。TRSアカデミアコンソーシアムは、分野の垣根を越えたアカデミア研究者による創薬科学と規制科学研究の教育研究を支援する。