Drug Delivery System
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特集 “医薬品開発におけるがん患者由来非臨床モデル”  編集:古賀宣勝
流体デバイスを活用した腫瘍チップのデザインパターンとその最新の研究動向
森 宣仁木田 泰之
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2024 年 39 巻 3 号 p. 184-191

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抄録
腫瘍は世界中で多くの命を奪い続けており、がん研究や抗がん剤の開発、個別化医療のさらなる進展が求められている。しかし、従来の二次元や三次元の生体外培養システム、さらには、動物モデルは、実際の腫瘍の複雑性を完全に再現するには至らない。この問題に対処するため、流体デバイスを活用したin vitroでの腫瘍シミュレーションである腫瘍チップ(Tumor-on-chips)が注目されている。この技術は、既存のモデルを超え、実際の腫瘍環境をより忠実に再現する可能性がある。本稿では、最新の研究動向を踏まえ、腫瘍チップの設計に共通する5つのデザインパターンを探求し、それぞれの特性を詳細に解説する。本稿が、腫瘍チップの利用や設計に際しての実践的な指針となることを目指す。
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