Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
Print ISSN : 0913-5006
ISSN-L : 0913-5006
特集 “日進月歩の核酸医薬・mRNA医薬開発”  編集:位髙啓史
エクソソームを用いた核酸医薬
呂 夏氷山野 友義華山 力成
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 39 巻 5 号 p. 346-353

詳細
抄録
エクソソームは、ほとんどの細胞から分泌されるナノスケールの小胞であり、産生細胞からレシピエント細胞へタンパク質、DNA、RNAなどの分子を運ぶことで、細胞間コミュニケーションにおいて重要な役割を果たす。これにより、レシピエント細胞での遺伝子発現、恒常性の維持、免疫応答などに関与する。さらに、エクソソームはさまざまな疾患のバイオマーカーとしても応用が期待されている。また、エクソソームは免疫原性が低く、生体適合性が高いため、mRNAなどの核酸医薬のデリバリーにおいて有望な手段とされている。RNAをエクソソームに内包する方法が開発されており、エクソソームを改変することで選択的に標的細胞に送達することが可能である。このようなエクソソームの特性を活かし、がん、自己免疫疾患などに対する新しい治療法の開発が期待されている。
著者関連情報
© 2024 日本DDS学会
前の記事 次の記事
feedback
Top