抄録
がん、自己免疫疾患、感染症、神経疾患などでは、依然として有効な治療法が不足し、新薬を必要とするアンメットメディカルニーズが多く存在している。一方で、標的細胞やタンパク質を精密に識別して作用する抗体医薬は「魔法の弾丸」として課題の克服に貢献してきた。さらに、武装化抗体であるAntibody-drug conjugate(ADC)やRadioimmunotherapy、2つの標的を同時に認識できるBispecific antibody(T細胞エンゲージャーを含む)など、次世代抗体医薬の開発も進んでおり、今後も治療満足度や効果が低かった領域に新たなモダリティが提供され、患者のQOL向上が期待されている。