抄録
従来の抗体は、1種のエピトープまたは抗原(ターゲット)に結合し効果を発揮する。一方で、2種のターゲットに結合するバイスペシフィック抗体の開発が加速している。また、医薬品開発において、モデリング&シミュレーション(M&S)が、開発戦略に組み入れられている。M&Sは、社内の意思決定ツールとして利用され、情報公開されることは少なかった。近年では、バイスペシフィック抗体で、M&Sを活用した初回投与量設定、曝露反応関係、副作用回避の用法用量設定等の論文等も報告されている。本稿では、2種の開発品についてM&Sの目的、既存データの活用方法等の事前準備に重点を置き紹介する。