抄録
動物実験代替法の開発、活用推進が進んでいる化粧品業界において、局所毒性の代替法に関しては、Adverse Outcome Pathway(AOP)のKey Event(KE)に沿って個別の試験を開発し、それらを組み合わせて評価する方法が提案され、活用されてきている。一方で全身毒性に関しては、昨今Next Generation Risk Assessment(NGRA)という概念が提唱され、最終的にヒトの健康を守ることを目的に、化合物の特性に合わせたシナリオに沿ってNew Approach Methodologies(NAMs)試験を組み合わせて評価を実施するケーススタディの報告が盛んである。動物実験代替法には多くの課題が残っているが、今後、さまざまな分野で開発、活用推進されることが見込まれるため、ここで事例を紹介した。