2026 年 41 巻 2 号 p. 106-114
標的タンパク質分解誘導法は、ユビキチンプロテアソーム系を利用する新たな創薬モダリティとして近年脚光を浴びている。主要な分解誘導薬であるPROTACやMolecular glueは、標的タンパク質(ネオ基質)とE3ユビキチンリガーゼを近接させることで、強制的に標的タンパク質をユビキ チン化しプロテアソーム依存的な分解誘導を誘導する。したがって、標的タンパク質分解誘導を高効率化・高精度化するうえで、ユビキチンプロテアソーム系の基礎に基づく分解誘導メカニズムを理解することは重要である。近年、タンパク質分解を促進するユビキチン鎖の高次構造(ユビキチンコー ド)の重要性が明らかになってきた。本稿では、ユビキチンプロテアソーム系の基礎的な作動原理とユビキチンコードについて概説した後、標的分解を制御する細胞内の調節因子と、それら因子による分解促進機構について、筆者らの成果も含めて紹介する。