2026 年 41 巻 2 号 p. 126-133
重度の喘息やアトピー性皮膚炎、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)などの病態形成に関与する創薬標的分子である造血器型プロスタグランジンD合成酵素(HPGDS)を標的とし、ユビキチン−プロテアソーム系を利用した分解誘導薬PROTAC-HPGDSを創出した。HPGDSの高分解能X線結晶構造情報に基づき特異的リガンドを設計し、E3リガーゼ結合リガンドと連結することで強力な分解活性を示す化合物を創製した。さらに、蛍光タンパク質融合HPGDS発現系を構築し、従来のウエスタンブロット法に依存しない迅速かつ経時的な分解活性評価系を確立した。本稿では構造生物学とタンパク質分解モダリティを統合した創薬戦略の一例として紹介する。