2026 年 41 巻 3 号 p. 226-230
オルガノイド技術は創薬や疾患研究における次世代モデルとして期待されているが、従来のオルガノイドは空間情報を欠いた均一環境下で形成されるため、組織極性や物質輸送経路を十分に再現できず、生体内の薬物動態(ADME)評価には限界がある。一方、Organ-on-a-Chip(OoC)は流体制 御や組織間相互作用を再現可能であるものの、多くは二次元培養細胞を基盤としており、立体的な組織機能の再現性に課題を有する。本稿では、細胞配置、細胞外マトリックス、液性因子勾配を工学的に制御することで、形態制御されたオルガノイドを流体チップへ統合する技術について紹介する。さらに、血液脳関門(BBB)-脳腫瘍連関モデルを例として、薬剤の脳内移行性やDDS評価への応用可能性を示す。オルガノイドとOoCの融合は、多臓器連関を再現した次世代創薬基盤として期待される。