2026 年 41 巻 3 号 p. 231-241
中枢神経系疾患治療薬の開発において、血液脳関門(BBB)は脳内への薬物移行を厳密に制御するため最大の障壁となり、その強固なバリアや選択的な物質透過性を再現するモデルの確立が重要である。近年、生体に近いBBBの構造と機能をin vitroで再現する生体模倣システム(BBB-MPS)が 注目され、細胞間相互作用や生体内の力学刺激の再現が可能となっている。本稿では、BBB-MPSの構築手法(細胞源やマイクロ流体デバイス設計など)と品質評価法(バリア機能やトランスポー ター活性など)を整理し、神経変性疾患や脳腫瘍、感染症研究への応用例とともに、臨床外挿性やス ループット性といった課題も論じる。