Drug Delivery System
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リポソームとDDS
標的化リポソームを用いた腫瘍新生血管傷害療法
浅井 知浩奥 直人
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2004 年 19 巻 6 号 p. 488-494

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抄録
腫瘍新生血管傷害療法は, 血管形成過程を抑える血管新生阻害剤を用いた治療法とは異なり, 従来の抗がん剤を新生血管内皮細胞により多く送達し, がんの治療を目指す治療法のことである. 筆者らは腫瘍新生血管傷害療法の研究を遂行する目的で, がんの新生血管に特異的に結合する新規ペプチドをファージライブラリーから単離し, 新規ペプチドを結合した標的化リポソームを開発した. そして抗がん剤を封入した腫瘍新生血管標的化リポソームが, 新生血管の破壊を作用機序としてすぐれた治療効果をもたらすことを明らかにした. 本稿では, 血管新生阻害によるがん治療, 新生血管とリポソーム製剤の関係について述べたあと, 標的化リポソームを用いた腫瘍新生血管傷害療法の有用性について紹介する.
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