昭和歯学会雑誌
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試作CAD/CAM装置のレーザ変位計でクラウン支台歯石膏模型を計測する際の隣在歯の影響
小林 幸隆李 元植堀田 康弘藤原 稔久宮崎 隆
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2000 年 20 巻 2 号 p. 158-164

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抄録
著者らは歯冠修復物をコンピュータ支援下で自動製作する歯科用CAD/CAMシステムの開発を行い, これまでに計測装置と加工装置を一体化した小型のCAD/CAM装置1号機ならびに2号機を試作した.このシステムでは計測装置としてレーザ変位計を用いて, 非接触で石膏模型の計測を行う.レーザ変位計を利用すると計測時間を短縮できるが, 支台歯軸面やマージンの計測精度について不明の点が多い.そこで前報では, 試作CAD/CAM装置2号機を用いてショルダー幅を変えた計測用模型を計測し, レーザ光の散乱や二次反射の影響で軸面隅角部やショルダー部の計測データに誤差が生じることを明らかにした.本研究ではさらに, ショルダー幅800μmの計測用模型を組み合わせてレーザ計測し, 隣在歯が支台歯計測データに与える影響を壽し果, 隣在歯の存在は二次反射のため, 支台歯マージン部の計測に悪影響を及ぼすととが判明した。したがって, 実用上は模型製作時に隣在歯の影響を最小にする方法を検討する必要があることが示唆された.
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