日本皮膚科学会雑誌
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アトピー性皮膚炎重症例に対するPUVA療法(第2報)―外来における効果―
梶山 理嘉吉池 高志Jirot Sindhvananda水口 聡子相川 洋介小川 秀興
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1991 年 101 巻 1 号 p. 43-

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抄録

ステロイド外用などの一般的な治療に抵抗性の重症アトピー性皮膚炎に対して,PUVA療法は優れた治療法である.しかし,その実施にあたっては,入院による連続照射を基本とし,繁雑な面も少なくない.そこで,23名の重症アトピー性皮膚炎患者を選択し,外来でのPUVA療法の効果を検討した.照射は週1回を基本とし,ステロイド外用については,治療前に用いていた患者に限って外用を継続した.その結果,6~22回(平均13.0回),総照射量平均25.8J/cm2にて,13名(57%)の患者に著効をみた.著効例のうち3名は全くステロイド外用をしておらず,ステロイド外用を併用した患者でも,その使用量を著しく減少させることができた.また著効例のうち,5名はPUVA療法後のステロイド外用が不要となり,1~6ヵ月(平均3.0ヵ月)の完全寛解を得られた.また,PUVA療法を行うにあたって,より効果を発揮しやすいのはどのような患者かを分析した結果,1)女性,2)最少光毒量minimal phototoxic dose(MPD)の低い者に,より大きな効果を上げることが判った.このことは,難治性アトピー性皮膚炎患者に対する外来におけるPUVA療法の適応を考える上で一応の参考となろう.

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© 1991 日本皮膚科学会
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