日本皮膚科学会雑誌
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フローサイトメトリーによるケラトアカントーマと有棘細胞癌の核DNA量の検討(パラフィン包埋組織を用いて)
橋本 喜夫松尾 忍飯塚 一
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1991 年 101 巻 7 号 p. 701-

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抄録

当科で手術治療したケラトアカントーマ(KA)7例と有棘細胞癌(SCC)7例について,それらのパラフィンブロックから作製した試料を用いて,Flow cytometry(FCM)により核DNA量の解析を行った.%>4SD(G0G1ピークの4SD以上の細胞の割合)で示される増殖指数はKAが7例中6例は20%以下であるのに対して,SCCは7例中6例が25%以上であった.DNA aneuploidyはSCCの1例にのみ認められた.これらの結果から,FCMによる核DNA量の解析はKAとSCCの鑑別の補助診断のひとつになりうると考えられた.

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© 1991 日本皮膚科学会
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