1992 年 102 巻 9 号 p. 1111-
我々は,ニュータイプの皮膚弾力測定器を用いて,健康な老若男女の皮膚弾力性を測定し,その差を比較検討した.その結果,皮膚弾力性に関して,老若間では老人の方が有意に低下していること,同一年齢群においては男女間に差はなく部位によって異なることが証明された.またPSSとEhlers-Danlos症候群の患者に対しても同様に測定を施行し,正常人と比較したところ,PSSでは伸展能,退縮能ともに悪く,逆にEhlers-Danlos症候群では伸展能,退縮能ともに良好であった.今後,種々の皮膚弾力性の変化を来たすと考えられる疾患の診断,進行度,治療効果に対する応用を検討して行く予定である.