日本皮膚科学会雑誌
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102 巻 , 9 号
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  • 西村 正広, 辻 卓夫
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1111-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    我々は,ニュータイプの皮膚弾力測定器を用いて,健康な老若男女の皮膚弾力性を測定し,その差を比較検討した.その結果,皮膚弾力性に関して,老若間では老人の方が有意に低下していること,同一年齢群においては男女間に差はなく部位によって異なることが証明された.またPSSとEhlers-Danlos症候群の患者に対しても同様に測定を施行し,正常人と比較したところ,PSSでは伸展能,退縮能ともに悪く,逆にEhlers-Danlos症候群では伸展能,退縮能ともに良好であった.今後,種々の皮膚弾力性の変化を来たすと考えられる疾患の診断,進行度,治療効果に対する応用を検討して行く予定である.
  • 川浪 耐子, 藤沢 重樹, 森嶋 隆文
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1119-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    悪性黒色腫群では尿中5-S-CD値と新Stage分類・新TNM分類との相関,経時的尿中5-S-CD値の測定による免疫化学療法の効果判定の有用性につき検討し,非黒色腫群では色素性腫傷別尿中5-S-CD値を測定し,この群を健常群と考えて尿中5-S-CD値の年齢・性差や季節別変動との相関について検索し,以下の興味ある知見を得た.1.非黒色腫群1)黒色腫と鑑別を要するacquired melanocytic nevus,若年性黒色腫,色素性基底細胞上皮腫,Bloch II型黒色上皮腫などの平均尿中5-S-CD値はほぼ正常値内であった.2)尿中5-S-CD値は全年齢を通して男が女に比して有意に高値で,年齢別には幼小児期に最も低く,30歳までゆるやかに上昇し,以降,加齢による変動はない.3)40歳代~70歳代では夏秋は冬春に比して有意に高値であったが,いずれの季節でも正常値内であった.2.黒色腫群 1)新Stageの進行とともに尿中5-S-CD値は段階的に高値となるが,StageⅠ・Ⅱ群と健常人群との間に差はない.2)新StageⅢ群の原発巣の病型間に尿中5-S-CD値は有意差はない.N0群全例が境界値内で,異常値はN1群12%,N2群で60%であった.3)disease free症例の経時的尿中5-S-CD値は境界値以下を変動していた.4)新StageⅢからStageⅣ移行例では尿中5-S-CD値が400μg/day以上の異常値を示して転移が発見されるまでの期間は9日~45日,1,000μg/day以上の異常高値を示すまでの期間は25日~1,200日,異常高値を示して死亡するまでの期間は45日~180日であった.5)免疫化学療法の臨床効果例では尿中5-S-CD値が治療期間中異常値を越えてピークを示し,無効例,術後の併用療法中,術前のDAV単独療法例では境界値以下を変動していた.以上の結果から,年齢・性差や季節を問わず,尿中5-S-CD値を経時的に測定することは悪性黒色腫例の原発巣のStage分類,転移の有無とその広がり,外科的療法や免疫化学療法の効果判定,予後などを判断するうえにきわめて有用な腫瘍マーカーであると考えられた.
  • 浅田 秀夫, 庄田 裕紀子, 奥村 睦子, 大和谷 淑子
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1127-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    Intravascular papillary endothelial hyperplasia(IPEH)の5例を報告した.それぞれ48歳男の右足底,60歳女の左足底,47歳女の右足底,55歳女の左足底,40歳男の右頬に単発性の腫瘤として生じ,いずれも組織学的に真皮または皮下組織の血管腔内に一層の血管内皮細胞で被われた乳頭状構造を認め,かつ血栓の形成を伴っていた.本症の乳頭状構造につき,血栓の器質化の過程で出現した微小血管が互いに融合を繰り返した結果,管腔のふちどりをなす血管壁が,管腔内に一見とり残された形となり,これが乳頭状構造の本体であろうと考えられた.また本症において,血栓の形成とその器質化に伴う乳頭状構造の形成とが交互に繰り返されている可能性も指摘した.
  • 格谷 敦子, 中川 浩一, 濱田 稔夫, 浅井 芳江, 山本 裕子
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1133-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    母親と娘2人の1家族3人に発症したX-linked dominant chondrodysplasia punctataの3例を報告した.娘2人に骨X線像で点状石灰化像,側彎,楔状椎が見られ,低身長,鞍鼻,下肢長差などの骨格異常がある.乳児期に特徴的な線状または流水状の鱗屑,痂皮を伴うび慢性紅斑が見られ,成長と共に消失し,鱗屑を伴う多角形萎縮性局面となった.母親に低身長,左上下肢の短縮,左眼白内障,腕には毛孔性萎縮を認める.父親,兄には異常は認められない.組織像:角層は層状肥厚し,付属器開口部の開大と角栓形成を認める.顆粒層は1~2層で顆粒変性はなく,有棘層は不規則に肥厚している.真皮上層に軽度の小円形細胞浸潤がある.
  • 柳原 康章, 大西 善博, 入江 広弥, 松井 良介, 川上 民裕, 長村 洋三
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1141-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    18歳,男性に生じたPiringer's lymphadenitisの1例を報告した.数年来豚や羊の生肉を摂取.初診2週間前近医受診時,左項頚部および右鎖骨上窩の腫瘤を指摘される.腫瘤は表面平滑で下床との可動性良好.組織学的にリンパ濾胞の腫大,類上皮細胞巣,未熟洞組織球症をみ,血清学的にトキソプラズマ抗体(IHA)1:512,トキソプラズマIgG(IFA)1:1024,IgM1:16の陽性所見を得た.本邦における本症の臨床症例としての報告例は自験例を含め37例で,本報告例は皮膚科領域では2例目である.
  • 山川 有子, 杉田 泰之, 高橋 泰英, 中嶋 弘
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1149-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    横浜市立大学医学部附属病院の皮膚科外来に通院中のベーチェット病患者において,末梢血単核球におけるtumor necrosis factor-α(TNF4)遺伝子の発現を,Northern blotting法により解析した.その結果活動期の患者では,非活動期の患者および健常者に比較して,lipopolysaccharide(LPS)刺激による末梢血単核球のTNF-α遺伝子の発現が増強していることが認められた.
  • 橋本 喜夫, 浅野 一弘, 川岸 尚子, 筒井 真人, 飯塚 一
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1153-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    proliferating trichilemmal cyst(PTC)は一般に良性腫瘍とみなされているが,最近,再発例,悪性化例が散見され,PTCは前癌性性格をもつ腫瘍という説も有力視されている.今回われわれは当科で過去に経験したPTC5例とtrichilemmal carcinoma(TC)9例について,パラフィン包埋組織を用いて,DNA-flow cytometry(DNA-FCM)を施行し,それぞれの核DNA量の検討を行った.9例のTC全例にDNA aneuploidyが検出され,本腫瘍の生物学的特徴の一つと考えられた.これに対し,PTC5例中2例にもDNA aneuploidy が認められ,PTCとTCの密接な関係が示唆された.
  • 山崎 正視, 石橋 明
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1157-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    掌蹠膿疱症ではしばしば病巣感染が見られることが知られているが,尋常性乾癬においても最近報告が散見される.今回我々はこれら2疾患で,数種の菌の関与の有無を検討する目的で,掌蹠膿疱症患者11名,尋常性乾癬患者8名において6種の菌体抗原(S. aureus,S. eindermidis,Neisseria,E. coli,P. acnes,C. albicans)に対する細胞性免疫を,マクロファージ遊走阻止試験を用いて検討した.それぞれの疾患群の遊走面積比を,対照群11名のそれと比較したところ,掌蹠膿疱症患者群においてカンジダを除く5種すべての抗原に対して有意に遊走が阻止されていた.尋常性乾癬患者群では,いずれの抗原に対しても対照群と比較し有意差は認められなかったが,一部の患者で遊走阻止が認められた.以上より,掌蹠膿疱症においてカンジダ以外のこれらの細菌に対する細胞性免疫が発症に関与している可能性が示唆された.しかし,乾癬においてはその頻度は低いと思われた.
  • 池田 志斈, 須賀 康, 小川 秀興
    1992 年 102 巻 9 号 p. 1161-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    1家系内3例の家族性良性慢性天疱瘡患者に対し,強力なステロイド外用剤および抗生剤あるいは抗真菌剤併用療法の臨床効果について検討した.その結果,全ての症例において,3から12週の間に寛解がえられ,また間欠的に外用を継続することにより,長期間良好な状態を維持することが出来た.以上の結果より,強力なステロイド剤は本症における水疱形成を抑制し得ること.また適切な抗生剤あるいは抗真菌剤とともに強力なステロイド剤を外用することにより,本症は充分コントロール可能であることが示唆された.
  • 1992 年 102 巻 9 号 p. 1165-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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