日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
角化の異常を伴う皮膚疾患の剥離角質細胞の検査所見について
川島 忠興大畑 智山本 一哉
著者情報
ジャーナル 認証あり

1993 年 103 巻 6 号 p. 773-

詳細
抄録
角化の異常を伴う皮膚疾患から小児アトピー性皮膚炎(以下小児AD),尋常性魚鱗癬,葉状魚鱗癬及び尋常性乾癬を対象に皮膚の最外層の角質細胞の組織学的並びに組織化学的な検査を行い,各疾患の特徴や角層機能の異常を検討した.1)小児ADでは,不全角化(有核細胞の出現),細胞剥離の異常(多層細胞群の程度)及び角化過程におけるcornified envelope(以下CE)の形成異常(DACM染色のSH基の蛍光の異常)が認められた.2)尋常性魚鱗癬では,不全角化はほとんど認められず,細胞剥離の異常が小児ADと同等に認められ,CEの形成にも異常が認められた.3)葉状魚鱗癬では,不全角化及び細胞剥離の異常が多数認められ,CEの形成の異常も認められた,特異な所見としてDACM染色のSH基の蛍光が角質細胞の核の位置に認められた.4)乾癬では,不全角化を多数認め,細胞剥離の異常も小児ADと同等に認められ,また,CEの形成異常が認められた.葉状魚鱗癬と同様にSH基の核の位置の蛍光も認められた.角層検査法を用いて,これらの角化の異常を伴う皮膚疾患において,不全角化の程度,角層の剥離異常及び角層のバリアー機能との関連が深いCEの形成の程度等が,各皮膚疾患の特徴と関連して表れていることが判明した.
著者関連情報
© 1993 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top