抄録
Amoxicillinによる多形紅斑型の薬疹が,薬剤内服前に生じたsunburn消退後のsuntan皮膚にほぼ限局して発症し,あたかも光線過敏症を思わせる皮疹の分布を呈した.しかし,薬剤摂取後は,日光に曝露されていない部位であり,真の光線過敏とは異なる反応である.かかる現象はきわめてまれなものでphoto recall現象と呼ばれる.放射線皮膚炎あるいは日光皮膚炎様症状が抗腫瘍剤投与後に生じるrecall現象と比較しつつ記載した.報告例が少なく発症機序は不明であるが,接着分子の発現に対する紫外線の影響も想定される.