日本皮膚科学会雑誌
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全身性強皮症における血清亜鉛値と味覚異常―ポラプレジンクによる治療―
石田 晋之介藤澤 崇行原 典昭山蔭 明生山崎 雙次
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1998 年 108 巻 7 号 p. 943-

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抄録
全身性強皮症(PSS)患者の血清亜鉛値を測定した.PSS患者の血清亜鉛値(60.8±11.8μg/dl)は健常人(76.5±7.1μg/dl)に比して有意に低下していた(p<0.001).病型別ではDiffuse type(平均56.8±13.0μg/dl)がLimited type(平均63.1±9.7μg/dl)より低下していた.PSS患者のうち低亜鉛血症を呈した18例にポラプレジンク1日150mgを投与した.Limited typeは6例全例,Diffuse typeは12例中9例に血清亜鉛値の上昇が認められた.なお,上昇しなかった3例にはいずれも高度な消化器病変が認められた.18例中6例に味覚異常を認め,ポラプレジンク投与により全例に著明な改善を認めた.
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© 1998 日本皮膚科学会
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