日本皮膚科学会雑誌
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108 巻 , 7 号
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  • 中山 佳代子, 鈴木 正, 土田 哲也, 北村 啓次郎, 池田 重雄
    1998 年 108 巻 7 号 p. 927-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    acral lentiginous melanoma in situ (ALM in situ)2例,ALM6例,nodular melanoma(NM)4例の非生毛部悪性黒色腫12例を対象に,病巣表面にデルマトスコープを圧抵して観察を行い,臨床ならびに組織所見と比較検討した.その結果,ALMの病巣中央部やNM,すなわち組織学的にvertical growth phaseを示す部位は特徴的所見に乏しかった.一方,ALM in situやALMの病巣辺縁におけるradial growth phaseの部位では,従来から報告されているcrista dominant pigmentationに加えて,既報告にない4つの色素パターンすなわちbrushing like pattern,irregular crista reticulated pattern,irregular crista diffuse pattern,irregular lattice like patternを認めた.これらの所見はpalmo-plantar nevusに比べてより不規則な像を呈したことから,両者の鑑別は可能であると思われた.したがって簡便かつ非侵襲的な本法は,早期病変を含む非生毛部悪性黒色腫における非観血的術前診断法として有用であると考えた.
  • 石井 健
    1998 年 108 巻 7 号 p. 937-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    天疱瘡は,自己抗体を介する自己免疫性水疱性疾患である.尋常性天疱瘡(PV)の自己抗原は,デスモグレイン(Dsg)3であり,落葉状天疱瘡(PF)の自己抗原は,Dsg1である.現在,天疱瘡の血清学的診断には,蛍光抗体法が広く施行されている.PVとPF両者とも表皮細胞表面に対する抗体をもち,蛍光抗体法では同様の染色パターンをとり,両者を区別することは困難である.そこで,新しい自己抗体の検出法として,バキュロウイルス発現系により作成したDsg3及びDsg1組換え蛋白を抗原として用いたELISA (Enzyme Linked Immunosorbent Assay)法を構築した.既に我々は,ELISA法が蛍光抗体法よりも感度及び特異度が高く,ELISAスコアは天疱瘡の病勢を反映していることを報告している.しかし,定量化しELISAスコアを算出するために検体を3系列希釈し,また標準検量曲線を得るため標準検体を8系列希釈する必要があり,やや煩雑であった.本研究では,検体を1希釈にし,抗体価を陽性コントロールとの比より算出しIndex表示し,より簡便にし改良したELISA法を作成した.検討した血清は,当教室経験例で,PV18例,PF10例,水疱性類天疱瘡(BP)20例,また,正常人血清47例である.Dsg3 ELISAにおいては,PV18例全例が陽性を示したのに対し,PF 0例,BP 0例,正常人血清1例のみが陽性と判定された.Dsg1 ELISAにおいては,PF10例全例が陽性を示し,BP,正常人血清では全例陰性と判定された.PV血清は,Dsg1 ELISAにおいても10例(55.6%)が陽性を示した.感度,特異度は,Dsg3 ELISAの場合,それぞれ100%,97.9%であり,Dsg1 ELISAの場合,両者とも100%であり,良好な結果を得た.また,臨床的にBPやLinear IgA bullous dermatosisなどの天疱瘡以外の診断であるにも関わらず,蛍光抗体法では天疱瘡様に表皮細胞表面が染色されるような症例(n=10)でも,本ELISA法では,全例陰性と判定され,蛍光抗体法よりも特異度の高い検査法であることが意味づけられた.Index値を用いたELISA法は,感度,特異度共に高く,また,簡便な検査法であり,天疱瘡の診断において日常診療で利用しうる実用性の高い検査法であることが結論され,また,天疱瘡の免疫学的発症機序の解明においても有用な方法であると考えられた.
  • 石田 晋之介, 藤澤 崇行, 原 典昭, 山蔭 明生, 山崎 雙次
    1998 年 108 巻 7 号 p. 943-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    全身性強皮症(PSS)患者の血清亜鉛値を測定した.PSS患者の血清亜鉛値(60.8±11.8μg/dl)は健常人(76.5±7.1μg/dl)に比して有意に低下していた(p<0.001).病型別ではDiffuse type(平均56.8±13.0μg/dl)がLimited type(平均63.1±9.7μg/dl)より低下していた.PSS患者のうち低亜鉛血症を呈した18例にポラプレジンク1日150mgを投与した.Limited typeは6例全例,Diffuse typeは12例中9例に血清亜鉛値の上昇が認められた.なお,上昇しなかった3例にはいずれも高度な消化器病変が認められた.18例中6例に味覚異常を認め,ポラプレジンク投与により全例に著明な改善を認めた.
  • 西嶋 攝子, 笠原 美香, 近藤 雅子, 中矢 秀雄
    1998 年 108 巻 7 号 p. 947-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    1994年1月から1997年12月までの4年間に,皮膚感染巣から分離した溶血性連鎖球菌(溶連菌)100株について,年度別分離菌数,グループ(群),同時に分離された菌種,疾患の種類,薬剤感受性について検討した.この4年間分離菌数に大きな変化はみられなかったが,S. pyogenesは減少傾向にあり,B群溶連菌は増加傾向にあった.単独で分離されたのは21株(21%)であり,黄色ブドウ球菌とともに分離されたのが64株(64%)であった.アトピー性皮膚炎(AD)から分離されたのが15例,伝染性膿痂疹(IC)からが12例でありそのうち6例がADに合併していた.S. pyogenesはADあるいは湿疹・皮膚炎の二次感染とICからの分離率が高く,B群は皮膚の損傷および浸潤部位の二次感染病巣から多く分離された.B群は湿疹・皮膚炎および足白癬など足部の二次感染巣から多く分離された.薬剤感受性はいずれの溶連菌においてもペニシリン系,セフェム系薬剤に対しては良好に保たれていたが,アミノグリコシッド系,ニューキノロン系薬剤の感受性は悪かった.群別ではS. pyogenesの薬剤感受性は概ね良好であったが,B群の感受性は悪く,その傾向は特にアミノグリコシッド系,ニューキノロン系で顕著であった.
  • 高松 由佳, 竹原 和彦, 高村 利治, 橋本 琢磨
    1998 年 108 巻 7 号 p. 953-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    20歳代前半を中心とした母集団におけるアレルギー保有率を検討する目的で,酵素抗体法によるアレルゲン特異IgE抗体測定キットであるAlaSTAT(米国DPC社製)を用いて,金沢大学医学部学生計176名におけるヤケ表皮ダニ,コナ表皮ダニ,ハウスダスト(HD)1・2・6,かもがや,スギの各特異IgE抗体陽性率を検討した.ダニ・HDの5項目のいずれかで0.35IU/ml(クラス1)以上を示したものは,176名中100名(56.8%)であった.偽陽性反応を除外するため,3.0IU/ml(クラス3)以上を陽性とすると,陽性者は75名(42.6%)であった.何らかのアレルギー疾患の症状や既往を有した83名では,測定した全ての項目において特異IgE抗体陽性率が高く,アトピー性皮膚炎の症状や既往をもつ28名では,かもがや以外の6項目で陽性率が高かった.しかしながら,その一方で,アレルギー疾患の症状や既往なしに特異IgE抗体陽性となる群が高率に認められ,アトピー性皮膚炎のない148名の16.2~37.2%,アレルギー疾患のない93名の6.5~30.1%でも各種特異IgE抗体陽性を示した.特に,ヤケ表皮ダニ特異IgE抗体は,アトピー性皮膚炎のないものの37.2%,アレルギー疾患のないものの30.1%で陽性であった.以上より,一般人口においても,明確なアレルギー疾患の症状や既往を伴わずに,特異IgE抗体陽性となる集団が存在することが示された.
  • 1998 年 108 巻 7 号 p. 959-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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