1998 年 108 巻 9 号 p. 1155-
アトピー性皮膚炎(AD),特に重症難治例あるいは従来の治療法による副作用発現例に対する治療として,我々はこれまでPUVA療法を用いて良好な結果を得てきた.しかし,治療的観点あるいは個人的・社会的理由から短期間での寛解導入を計る工夫が必要になってきた.そこで,42名の難治性成人型AD患者に対して,ステロイド内服(Bethamethazone 3mg/day)を3日間だけPUVA療法に組み合わせたステロイドPUVA療法を開発した.その結果,従来のPUVA単独療法(n=47)と比較して,同等の効果が得られ,かつ総照射量(平均61.4J/cm2より34.2J/cm2)および照射回数の減少(平均18.2回より11.7回),即ち治療期間の大幅な短縮が観察された.すなわち,これはステロイド自体の相乗効果に加えて,MPD延長によって照射量を増加させたことによるものと考えた.