日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
Granulomatous slack skin(肉芽腫性皮膚弛緩症):典型例と思われる1例の報告と文献的考察
幸野 健鶴田 大輔八代 典子忽那 晴央石井 正光谷口 彰治日野 雅之若狭 研一
著者情報
ジャーナル 認証あり

1999 年 109 巻 2 号 p. 155-

詳細
抄録

Granulomatous slack skin(肉芽腫性皮膚弛緩症)は,cutis laxa様の臨床像と病理組織像で広汎な肉芽腫性浸潤を認める極めて特異かつ稀な疾患である.その典型例を経験したので報告すると共に,既報39例についても文献的考察を加えた.患者は25歳,男性.18歳時より皮疹出現.現症で,両腋窩,体幹,臀部,大腿内側に浸潤性萎縮性の紅斑及び弛緩性懸垂性の襞壁を認めた.組織像では,真皮から皮下織に稠密なリンパ球浸潤とおびただしい数の多核巨細胞を認め,弾力線維はほぼ消失していた.浸潤単核球は,CD3,CD4,CD45RO陽性,多核巨細胞はCD14,CD68陽性であった.また,多核巨細胞のlymphophagocytosisと病変部組織でのT細胞受容体遺伝子再構成が認められた.腫瘤は切除・縫縮し,皮疹のコントロールにはベータメサゾン内服やIFNα-2a(キャンフェロンA)が有効であった.

著者関連情報
© 1999 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top