日本皮膚科学会雑誌
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109 巻 , 2 号
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  • 日野 治子
    1999 年 109 巻 2 号 p. 121-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    皮膚疾患の局所療法として行われる皮膚外用療法の目的は,経皮的に吸収させた薬剤によって治療効果を得るものである.薬剤は皮膚から容易に吸収され,しかも副作用があってはならない.外用薬には粉末,液剤をはじめ多種の剤型がある.特に古典的軟膏を含め,疎水性軟膏は水に溶けず,扱いが容易ではないが,刺激性が低く,糜爛,湿潤病変にも使用可能である.一方,親水性軟膏基剤は取り扱い易く,他の薬剤との混合もでき,乾燥病変には好ましいが,湿潤病変には刺激がある場合がある.病変に相応しい主薬を使用することは当然であるが,基剤・剤型も選択の必須条件である.
  • 皆川 正弘, 河井 一浩, 伊藤 雅章
    1999 年 109 巻 2 号 p. 129-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    1986年から1995年の間に新潟大学医学部附属病院皮膚科を受診した菌状息肉症・セザリー症候群46例について,予後因子を検討した.単変量解析では,TNM分類でN3,M1,年齢(>60歳),ECOG performance status 2-4,LDH高値(>450IU/l)の群が有意に予後不良であり,T 1-2とT 3-4の2群間には有意な予後の差を認めなかった.Coxの比例ハザードモデルを用いた多変量解析により,M1とperformance status 2-4が重要な予後因子であることが明らかになった.
  • 藤本 典宏, 種田 明生, 多島 新吾, 石橋 明
    1999 年 109 巻 2 号 p. 135-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    再発性多発性軟骨炎(Relapsing polychondritis)は一般にⅡ型コラーゲンに対する自己抗体が原因と考えられている.固相サンドイッチELISA法を用いてⅡ型コラーゲンだけでなく,耳,鼻軟骨構成タンパクであるエラスチン,cartilage oligomeric matrix protein(COMP),フィブリリン-1に対する自己抗体の有無を検討した.患者10例中3例でⅡ型コラーゲンに対する抗体が認められた.Ⅱ型コラーゲンに陰性の患者血清のうち,1例でトロポエラスチンに陽性を示したが,COMPとフィブリリン-1に陽性を示すものは認められなかった.抗トロポエラスチン抗体と本疾患の病因との関係は現時点では不明であるが,Ⅱ型コラーゲン以外の軟骨成分に対する抗体が病因と関わっている可能性が示唆される.
  • 山本 卓也, 宍戸 まゆみ, 釈 政雄, 鈴木 正巳
    1999 年 109 巻 2 号 p. 141-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    毛の成長には毛乳頭細胞(以下DPCs)―毛包上皮細胞(外毛根鞘細胞,以下ORSCs)間の相互作用が深く関与し,特にDPCsからのシグナルがORSCsの増殖に影響を及ぼすことが,周期的毛成長の一因であると考えられている.しかしながら,より詳細なメカニズムについてはいまだ十分に解明されたとはいえない.本研究ではラツトの髭からDPCsおよびORSCsをそれぞれ単離し,コラーゲン膜を介した共存培養を実施して両者の相互作用を検討した.その結果DPCsがORSCsの増殖を促進することを確認した.さらに既存の増殖因子,transforming growth factor α(以下TGF-α),epidermal growth factor(以下EGF),acidic fibro blast growth factor(以下aFGF),insulin-like growth factorI(以下IGF-I)添加によりそれぞれでORSCsの増殖が促進された.さらにそれら増殖因子に対する抗体中和実験では唯一抗TGF-α抗体が共存培養によるORSCsの増殖促進効果を抑制した.しかし,抗TGF-α抗体で中和したDPCsの培養上清を用いてORSCsを培養してもその抑制は認められなかった.これらより,このDPCsの作用がORSCs由来のTGF-αの産生促進作用によるものであることが示唆された.
  • 奥村 睦子, 宮本 朋子, 羽白 誠, 平松 紘一
    1999 年 109 巻 2 号 p. 147-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    職業性皮膚障害の実態を調査する目的で皮膚検診をおこなう機会を得たので,これをもとに,皮膚検診の必要性,有用性を検討した.無作為成人男性集団(ただし18歳以上)である1,072名について,皮膚の異常の実態,職業との関連性,治療を要すると考える疾患の有病率と病識の程度等より有用性について検討した.検診の結果は,高い有病率を示した.職業性の皮膚障害の頻度も高く,特に,皮膚悪性腫瘍については,全例異常を認識しておらず,他臓器の癌発見率に比しても有意に高いことが明らかになった.他の皮膚疾患の病識率の低さも考えると,皮膚検診は有用であると考える.今後、各施設に於いて,積極的に皮膚検診が行われる事によって,より有用な皮膚検診のシステムが出来ることを期待する.
  • 幸野 健, 鶴田 大輔, 八代 典子, 忽那 晴央, 石井 正光, 谷口 彰治, 日野 雅之, 若狭 研一
    1999 年 109 巻 2 号 p. 155-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    Granulomatous slack skin(肉芽腫性皮膚弛緩症)は,cutis laxa様の臨床像と病理組織像で広汎な肉芽腫性浸潤を認める極めて特異かつ稀な疾患である.その典型例を経験したので報告すると共に,既報39例についても文献的考察を加えた.患者は25歳,男性.18歳時より皮疹出現.現症で,両腋窩,体幹,臀部,大腿内側に浸潤性萎縮性の紅斑及び弛緩性懸垂性の襞壁を認めた.組織像では,真皮から皮下織に稠密なリンパ球浸潤とおびただしい数の多核巨細胞を認め,弾力線維はほぼ消失していた.浸潤単核球は,CD3,CD4,CD45RO陽性,多核巨細胞はCD14,CD68陽性であった.また,多核巨細胞のlymphophagocytosisと病変部組織でのT細胞受容体遺伝子再構成が認められた.腫瘤は切除・縫縮し,皮疹のコントロールにはベータメサゾン内服やIFNα-2a(キャンフェロンA)が有効であった.
  • 平本 和代, 平田 順子, 原田 敬之, 橋本 隆, 田中 光, 山本 明美, 飯塚 一, 田中 俊宏, 平本 龍吾
    1999 年 109 巻 2 号 p. 169-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    2歳,女児.初診の約1ヵ月前より,顔面に小水疱が出現.徐々に上下肢,躯幹に拡大,皮疹は小水疱が環状に配列する紅斑で臨床的にlinear IgA bullous dermatosisを疑った.組織学的には表皮下水疱であった.免疫蛍光抗体直接法で基底膜部にIgGとC3の線状沈着をみとめ,間接法でIgGクラスの血中抗基底膜部抗体は40倍陽性,1モル食塩水剥離皮膚を基質とした場合は血中抗体は真皮側のみと結合した.また免疫ブロット法,免疫電顕検索にて本患者の血中抗体はⅦ型コラーゲンのNC1-domainではなくtriple-helicial collagenous domainと反応していることがあきらかとなった.治療はプレドニゾロンの内服が著効を示した.自験例は従来見られる成人の後天性表皮水疱症とは臨床,および血中抗体の反応性,治療の面で異なる新しいタイプの可能性が示唆された.
  • 1999 年 109 巻 2 号 p. 179-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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