抄録
皮膚筋炎の予後を大きく左右する因子のひとつとして悪性腫瘍の合併があるが,その原因についてはよくわかっていない.今回の研究では悪性腫瘍を合併した皮膚筋炎患者の免疫学的特徴を抗核抗体の側面から調べた,7例の患者中,間接蛍光抗体法により全例に抗核抗体もsくは抗細胞質抗体が見い出されたが,いわゆる疾患特異マーカーといわれる抗ENA抗体は陰性であった.興味深いことに,3例の患者血清中に細胞周期関連と思われる抗原に対する抗体が陽性であり,そのうちの1例の抗体の対応抗原は,細胞周期関連のセントロメア抗原,CENP-FであることがcDNAクローニングの結果判明した.今後さらに複数の対応抗原を明らかにし,それらの患者腫瘍組織における動態を解析していく必要がある.