日本皮膚科学会雑誌
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原著
膀胱機能障害を生じた全身性エリテマトーデスの2例―症例1はループス膀胱炎,症例2は神経因性膀胱―
小野澤 望田村 敦志安部 正敏山中 正義石川 治
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2001 年 111 巻 13 号 p. 1997-2003

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抄録
膀胱機能障害をきたした全身性エリテマトーデス(SLE)の2例を報告した.症例1は32歳,女,ループス腎炎に対し副腎皮質ステロイド剤を内服加療中に,腹痛,嘔吐,下痢などの消化器症状と頻尿が出現.腹部CTで両側水腎・水尿管症,また膀胱生検で間質性膀胱炎の所見を認め,ループス膀胱炎と診断した.症例2は33歳,女.3年前からSLEの診断で副腎皮質ステロイド剤を内服加療中に,発熱,膀胱直腸障害,意識障害が出現した.蝶形紅斑と両下肢の病的反射を認めたが,頭部・脊髄MRI検査では,明らかな病変はなかった.消化器症状,水腎・水尿管症は認めず,尿意はあり,膀胱内圧検査で蓄尿相は正常であったことより,神経ループス(neurolupus)による運動麻痺性神経因性膀胱(motor paralytic bladder)と診断した.2例ともステロイドパルス療法を行い,後遺症を残さずに膀胱機能は回復し,随伴する他の症状も軽快した.
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© 2001 日本皮膚科学会
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