日本皮膚科学会雑誌
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原著
片側性に皮疹を生じたgeneralized morpheaの1例
関 姿惠石川 治野口 幹正
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2001 年 111 巻 13 号 p. 2005-2009

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抄録

右半身に皮疹が多発したgeneralized morpheaの1例を報告した.症例は29歳,女.抗核抗体160倍(speckled pattern)以外に臨床検査値に異常なし.皮疹部生検組織では,真皮のほぼ全層にわたる膠原線維の均質化を認めた.過去12年間に当科で経験した斑状強皮症45例において,皮疹数と血清学的検査結果との関連を検討したところ,4個以上の斑状皮疹を有する症例群では3個以下の群に比べ抗核抗体またはリウマトイド因子の陽性率が有意に高かった(P<0.05).この結果から,基本的に4個以上の皮疹を有する例をgeneralized morpheaと定義すると,より免疫血清学的異常を伴う可能性が高いことが示唆された.

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© 2001 日本皮膚科学会
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