抄録
1994年3月から2001年3月の間に当科外来および入院患者の皮膚感染病巣から分離されたレンサ球菌74株について検討した.分離頻度はA群43株(58.1%),B群17株(23.0%),C群5株(6.7%),その他9株(12.1%)であった.B群レンサ球菌(Streptococcus agalactiae)は膿瘍,蜂巣炎,膿痂疹,潰瘍の二次感染から分離され,糖尿病,アトピー性皮膚炎などの基礎疾患のある症例が多かった.C群レンサ球菌(Streptococcus equisimilis)は膿痂疹,蜂巣炎から分離され,全て黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)との混合感染であった.その他では,viridans群レンサ球菌,レンサ球菌の類縁菌として肺炎球菌や腸球菌が分離された.