日本皮膚科学会雑誌
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112 巻 , 1 号
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生涯教育講座
  • 近藤 靖児
    原稿種別: 生涯教育講座
    2002 年 112 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2002/01/20
    公開日: 2014/12/27
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    Exposure to ultraviolet radiation (UVR) is one of major environmental factors that produce pleomorphic reactions in the whole organism and the skin. These include the well-described carcinogenic potential of UVR, the erythemogenic effects (sunburn), photoaging and suppression of cellular immune responses. Skin functions not only as an immune target organ but also as an immune effector organ. After exposure of the skin to noncytotoxic doses of UVB radiation, keratinocytes (KC), a major component of the epidermis, are directly or indirectly stimulated to express cytokines and other mediators such as prostaglandin E2, cis-urocanic acid, neuropeptides, and oxygen radicals. These factors are involved in the modulation of immune reactions. Such modulation of cutaneous and systemic immune responses by UVR has been examined by concentrating on the effects of UVR on cutaneous cellular components. Furthermore, an attempt has been made to investigate the effect of UVA on UVB-induced immune suppression by examining the production of cytokines from KC exposed to UVA. Although UVA seems to play an important role in suppressing immune reactions, UVA exposure after UVB irradiation has been shown to reverse UVB-induced suppression of contact hypersensitivity in mice. Our study showed that KC-derived IL-10 and IL-12 are regulated differentially by UVA and UVB. UVA (less than 20 kJ/m2) induced IL-12, a potent antagonist to UVB-induced immune suppression, but not IL-10, a Th2 cytokine responsible for the suppressed CHS by UVB. Our findings suggest that UVA seems to have a complex role in regulating the immune response by modulating cytokine profiles in the skin.
原著
  • 八田 尚人, 高田 実, 竹原 和彦, 影下 登志郎
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2002/01/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    遠隔転移を有し,標準的な前治療が無効であった悪性黒色腫患者3例を対象として樹状細胞ワクチンによる免疫療法を試みた.Nestleらの方法に従い,末梢血単球から樹状細胞を誘導し,自己の腫瘍融解液で刺激後さらに成熟させた樹状細胞を一定の間隔でリンパ節内に投与した.重篤な副作用はみられなかったが,全例において治療中に転移巣の増大と新生がみられたため,本治療は無効と判定された.ただし,2例で治療開始後白斑が出現し,そのうち1例では一部の転移巣の縮小が観察された.縮小した転移巣の生検標本ではTIA-1陽性memory T細胞の浸潤が多くみられた.さらに,2例において治療開始6~14週後に腫瘍融解液で刺激した樹状細胞に対する遅延型皮膚反応が誘発された.以上の所見から,特異的免疫反応の誘導が示唆された.しかし,原発および転移腫瘍の免疫組織化学的検索では,全例において転移巣のHLA class1分子の発現が消失もしくは減弱しており,それが本治療が無効であった理由のひとつと考えられた.
  • 植木 理恵, 坪井 良治, 山下 真之, 高森 建二
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2002/01/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    頭部のびまん性脱毛を主訴とする女性患者79人と健常女性27人の毛成長パターンを,非侵襲的なフォトトリコグラム法を用いて解析した.方法は頭頂部の頭髪を直径約1.5 cmの範囲ではさみで刈り,刈った直後と48時間後の画像から単位面積あたりの毛髪本数と長さを測定し,あわせて刈った頭髪の毛直径を測定した.その結果,びまん性脱毛を訴える患者は,正常コントロール群と同様のパターンを示す群(12.7%)と異常値群(87.3%)から成り,異常値群はさらに,毛の細い群,毛の伸びが遅い群,毛が細く伸びの遅い群,など7群に分類された.患者背景として,女性ホルモン補充療法4人(5.1%),ミクロゾームテスト陽性5人(6.3%),血清鉄低値9人(11.4%)などが含まれていた.本法は視診上異常を認めない程度の軽微な変化も検出することが可能で,女性のびまん性脱毛症の定量的評価や,脱毛の原因や予後を予測するために有用な方法と考えられた.
  • 山﨑 修, 秋山 尚範, 大野 貴司, 岩月 啓氏
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2002/01/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    1994年3月から2001年3月の間に当科外来および入院患者の皮膚感染病巣から分離されたレンサ球菌74株について検討した.分離頻度はA群43株(58.1%),B群17株(23.0%),C群5株(6.7%),その他9株(12.1%)であった.B群レンサ球菌(Streptococcus agalactiae)は膿瘍,蜂巣炎,膿痂疹,潰瘍の二次感染から分離され,糖尿病,アトピー性皮膚炎などの基礎疾患のある症例が多かった.C群レンサ球菌(Streptococcus equisimilis)は膿痂疹,蜂巣炎から分離され,全て黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)との混合感染であった.その他では,viridans群レンサ球菌,レンサ球菌の類縁菌として肺炎球菌や腸球菌が分離された.
  • 小野 文武, 安元 慎一郎, 前山 直, 名嘉眞 武國, 森 理, 橋本 隆
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2002/01/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    久留米大学医学部皮膚科において1995年1月から2000年12月までの6年間に経験したボーエン病およびボーエン癌全100例の統計的検討を行った.性別は男性58例,女性42例,男女比は1.4:1で,平均年齢は74.0歳であった.外来新患者数に対する頻度は0.54%と他施設から報告されている頻度に比べ高かった.部位別発生頻度では下肢,躯幹,足部の順で非露光部に多かった.多発例は15例であったが病歴上,後述する井戸水以外,あきらかな砒素への曝露歴はなかった.一方,ほぼ全例に飲料水としての井戸水の利用歴があった.ボーエン病以外の悪性腫瘍の合併は内臓悪性腫瘍11例,皮膚悪性腫瘍6例にみとめられた.福岡県筑後地方では地下水の砒素汚染が判明し,福岡県の調査が行われている.今回検討した100例中,筑後地方の住民は70例であり,県の調査による高濃度砒素(0.01 mg/l以上)検出地域の住民は52例で,74.3%に相当していた.以上から筑後地方での人口の高齢化に加え,地下水の砒素汚染が当地区におけるボーエン病の多発傾向に関与している可能性が考えられた.
  • 中瀬古 裕乃, 玉田 康彦, 松本 義也
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 2002/01/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    疣贅の治療には一般に液体窒素による凍結療法が行われるが,特に手足の疣贅は難治であり,しばしば治療に苦慮する.今回我々は液体窒素療法をはじめとする,種々の治療法に抵抗した手足の疣贅患者に5-aminolevulinic acidを外用後,エキシマダイレーザーを用いた光線力学的療法を行い,その有用性を検討した.その結果,全症例の治癒率は63.3%であり,治癒例の平均治療回数は7.0回であった.外用・光線力学的療法は治療期間も比較的短く,照射時の軽度の疼痛以外,重大な副作用も認められなかったことから,難治な手足の疣贅例に対して有用な治療法の1つと考えられた.
  • 神谷 玲子, 浅井 寿子, 成瀬 隆裕, 赤座 薫
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 2002/01/20
    公開日: 2014/12/27
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    56歳男性.平成10年8月頃より右膝関節の発赤,腫脹が出現.抗生剤の投与にて臨床症状は改善したが,9月頃より両側下腿後面に暗紅色の皮下硬結が出現し,以後両足背,両手背にも発赤,腫脹,疼痛が出現してきた.また,右肘関節,左手関節,左手指関節をはじめとする多関節炎も認められた.病理組織学的所見では,皮下脂肪織の炎症性細胞浸潤と脂肪細胞の壊死像を認めた.経過中に血清アミラーゼの上昇を認め,腹部CTを施行したところ,膵体部に直径7 cm大の腫瘍が確認された.リパーゼ,トリプシン,ホスホリパーゼA2も異常高値を示していた.平成11年1月,膵体部切除術を施行.腫瘍はAFP産生性の島細胞癌であった.術後皮膚症状,関節症状とも落ち着いたが,平成12年1月肝転移,腹膜転移に伴い膵酵素が再度上昇し,皮膚症状,関節症状とも再発した.肝転移等に対して動注化学療法を行うも徐々に全身状態悪化し,9月10日永眠された.本症は膵炎や膵癌に伴って生じる稀な病態で,膵癌の中では腺房細胞癌に多いのが特徴である.本邦で島細胞癌の報告例はなく,本症例が第1例目でありここに報告する.
学会抄録
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