日本皮膚科学会雑誌
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原著
筋緊張性ジストロフィーに合併した多発性巨大石灰化上皮腫の1例
吉田 亜希大原 学小野寺 英恵佐藤 俊樹森 康記赤坂 俊英水野 昌宣箱崎 美香吉成 力
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2002 年 112 巻 2 号 p. 137-142

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抄録

35歳,男性.妹をはじめ筋緊張性ジストロフィー患者が家系内に存在する.前胸部に90×56 mm,右上腕に41×33 mmの巨大な有茎性腫瘤を2個認めた.その他,右上腕に31×15 mm,右前頭部に20×15 mm,後頭部に15×10 mmの弾性硬の皮下腫瘤を計3個認めた.5個の皮疹はいずれも典型的な石灰化上皮腫の組織像を呈した.また前頭部脱毛,握力低下,斧様顔貌,grip myotoniaなど筋緊張性ジストロフィーに特徴的な所見を認めた.これまでにも筋緊張性ジストロフィーと石灰化上皮腫の合併は多数報告されているが,巨大でかつ肉芽腫瘍外観の臨床像と肉芽様および経表皮排出現象の組織所見を呈した多発性石灰化上皮腫を経験したので報告した.

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© 2002 日本皮膚科学会
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