抄録
当科にて加療中の全身性強皮症患者59例を対象として,橋本病の合併について検討した.全身性強皮症59例中23例(39.0%)と高率に橋本病の合併を認め,病型別ではDiffuse type 19例中9例(47.4%),Limited type 40例中14例(35.0%)であった.特にシェーグレン症候群を合併した全身性強皮症29例中の橋本病合併は14例(48.3%)と高頻度に認められた.橋本病合併群は橋本病非合併群と比較し,顔面の皮膚硬化が強い傾向を認め,とりわけ甲状腺機能低下群は有意に顔面の皮膚硬化が強かった.従って,顔面の皮膚硬化の強い症例に橋本病合併が高い傾向が見られ,なかでも甲状腺機能低下例は,明らかに顔面の皮膚硬化と関連していると思われた.これまで全身性強皮症の橋本病の合併は,Limited type,女性例,シェーグレン症候群合併例に多いとされていたが,今回の我々の検討では,むしろ,Diffuse type,顔面のスキンスコア高値例に橋本病合併が多い傾向が認められた.全身性強皮症患者では,橋本病合併の頻度が高いため,ルーチンに抗甲状腺抗体の検査をすべきと考えられた.