日本皮膚科学会雑誌
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原著
3主徴と副鼻腔炎を伴うyellow nail症候群の1例―クラリスロマイシンによる治療―
土井 理左岡本 祐之堀尾 武
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2002 年 112 巻 3 号 p. 261-265

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抄録
54歳,女性.約5年前から,すべての指趾の爪甲が黄色に肥厚していることに気付いていた.気管支拡張症と顔面・下肢の一過性のリンパ浮腫を合併しており,3主徴が揃った典型的なyellow nail症候群と診断した.さらに,慢性副鼻腔炎の合併も証明された.クラリスロマイシンの内服により気管支拡張症と副鼻腔炎は改善し,ステロイド外用薬と活性化ビタミンD3外用薬の塗布により,正常爪の出現をみている.文献的に副鼻腔炎の合併は20~25%にみられ,本症候群の主要な病変の1つと考えられる.マクロライド系抗生剤による本症の治療に関する報告はないが,試みるべき治療法と考え,その奏功機序を考察した.
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© 2002 日本皮膚科学会
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